図1 発表されたBDレコーダー5機種とプレーヤー1機種
図1 発表されたBDレコーダー5機種とプレーヤー1機種
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図2 「インテリジェントエンコーダー」機能
図2 「インテリジェントエンコーダー」機能
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図3 「CREAS 2 plus」
図3 「CREAS 2 plus」
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図4 「スカパー!HD録画」に対応
図4 「スカパー!HD録画」に対応
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図5 世界のBD市場
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図6 日本国内のBD市場
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  ソニーは,Blu-ray Disc(BD)レコーダー5機種を2009年9月から順次発売する(図1)(ソニーの発表資料Tech-On!関連記事)。同社従来品に比べて,「かんたん」,「きれい」,「つながる」といったキーワードに関わる機能を改善したという。

 「かんたん」というキーワードでは,映像再生や番組の録画予約,ダビングなどをガイド付きで操作できる「らくらくスタートメニュー」を新たに搭載した。「きれい」に関しては,録画時と再生時の画質改善機能を盛り込んだ。録画では,「インテリジェントエンコーダー」と呼ぶ機能を導入した。アニメやスポーツ,音楽など,電子番組表の番組ジャンルの情報によって録画用のパラメータを自動的に調整する機能と,映像シーンに合わせて録画時のビット・レートを変える「新ダイナミックVBR」の2機能から成る(図2)。

 また,色階調数を高める映像回路に新たな機能を追加した「CREAS2」を搭載した。液晶テレビやPDPテレビ,プロジェクター,有機ELテレビなど,映像表示機器に合わせて画質設定ができる機能と,黒色の表現性を高める機能を導入した。

 5機種のうち,最上位機種にあたる「BDZ-EX200」は,さらに3機能を強化した「CREAS 2 plus」を備える(図3)。夕暮れ時の映像などで生じる色のグラデーションをなめらかに表現する機能と,アニメ映像で発生する輪郭部周辺のノイズを除去する機能,データ圧縮時に失われた色信号に対して色補間する機能である。

 「つながる」機能として,「スカパー!HD録画」に対応したチューナーをLANケーブルで接続し,BDレコーダーのHDDに番組を録画する機能を加えた(図4)。5機種のうち,BDZ-EX200と「BDZ-RX100」,「BDZ-RX50」の3機種が対応する。

「スカパー!HD」の番組をチューナー外にあるHDDに録画するのは,業界初だという。こうした機能を実現するのは,「非常に難航した」(スカパーJSAT 取締役 執行役員専務 マーケティング本部長の出水啓一朗氏)という。外付けするレコーダーの認証や,コンテンツ・プロテクションなどの面で課題が生じていたためとする。今回はこうした課題を克服し,実現にこぎつけた。

 5機種のうち,BDZ-EX200は2009年11月上旬から,BDZ-RX100とBDZ-RX50は同年9月19日,「BDZ-RX30」と「BDZ-RS10」は同年9月12日から発売する。内蔵するHDDの容量は,2Tバイト,1Tバイト,500Gバイト,320Gバイト,320Gバイトである。実売予想価格は,それぞれ約28万円,18万円,15万円,12万円,10万円とする。

BD市場は2倍成長


 ソニーの調査によれば,BDプレーヤーやレコーダーの市場は急拡大しているという。BDプレーヤーやレコーダーの世界市場は,2010年度まで約2倍で成長するとみる(図5)。2009年度には1200万台,このうち日本国内は310万台,欧州は約300万台,米国は約600万台と予測する(図6)。欧州や米国では,BDプレーヤーが大部分を占めるという。