BDプレーヤー「BDP-S360」
BDプレーヤー「BDP-S360」
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登壇するソニーの加藤滋氏
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 ソニーは,Blu-ray Disc(BD)レコーダー5機種とプレーヤー1機種を2009年9月から順次発売する(発表資料)。この発売に先立ち,同年8月26日,都内で報道機関向け発表会を開催した。

 2009年9月5日から発売されるBDプレーヤー「BDP-S360」の実売予想価格は3万円前後。つまり,同年9月3日より日本で発売される新型プレイステーション3(PS3)の希望小売価格2万9980円とほぼ同程度である(Tech-On!関連記事)。BDプレーヤーとしては同じ価格帯の競合品とも見て取れる。

 そのため発表会では,新型PS3との住み分けについて質問があった。これに対し,発表会に登壇したソニー コンスーマープロダクツ&デバイスグループ ホームエンタテインメント事業本部 第2事業部 事業部長の加藤滋氏は,「BDプレーヤーとゲーム機では対象ユーザーが異なると考えている。PS3であれば,ゲームで遊ぶことを主体に,プレーヤーであれば映画や音の良さを楽しむことを重視して購入する。しかも,ゲーム機はリビングに置かれている場合が少なく,寝室などに置かれる場合が多い。一方,プレーヤーはリビングなどに置かれる。つまり設置場所が違う」との見方を示した。同氏はPS3もプレーヤーも安価であれば,リビングと寝室の両方に置かれるとみる。

ドライブを薄く,安く

 BDP-S360の特徴は,奥行き約207mm,高さ約56mmとDVDプレーヤー並みの大きさにしたこと。内蔵する光ディスク・ドライブの薄型化などによって実現した。このドライブをソニーは「プレシジョンドライブHD」と呼ぶ。同ドライブを製品に採用するのは今回が初めてである。

 粉塵などから光ディスクを守るシールドの構造を,従来の二重構造から単層構造へ減らすことで薄くしたという。だが,単純に減らすと,粉塵の影響を受けやすくなる。加えて,ドライブから輻射される電磁雑音も増加する。ソニーは詳細を明かさないものの,構造に改良を加えてこうした課題を克服したと説明する。このシールドの削減により,コスト低減にもつながった。

 このほか,ドライブ内部の温度上昇を抑制し,ディスク媒体の読み取り精度を高めたとする。従来ドライブ内部にあった駆動回路をドライブ外に出すことなどで実現したという。

 BDP-S360の外形寸法は約430mm×207mm×56mmで,重さは約2.1kg。消費電力は22Wである。待機時の消費電力は0.14Wとする。