全米通信労働組合(CWA:Communications Workers of America)は米国時間2009年8月25日,米国のインターネット接続速度について調査した結果を発表した。それによると,米国のインターネット・ユーザーの平均ダウンロード速度は5.1Mbpsで,2年前の3.5Mbpsから1.6Mbpsしか向上していない。この成長率でいくと,インターネット接続の平均速度が世界首位の韓国に追いつくには15年が必要だ。

 世界のトップ3である韓国,日本,スウェーデンと同等の接続速度を導入している米国インターネット・ユーザーはわずか20%だった。また,FCCによる現在のブロードバンドの定義(768Kbps以上の常時接続)にさえ満たないユーザーが18%あった。

 同調査は,CWAのプロジェクトである「Speed Matters Speed Test」において,2008年5月から2009年5月までの測定結果をまとめたもの。約41万3000人の米国インターネット・ユーザーが速度テストを実施した。

 州別の平均ダウンロード速度を見ると,最も速いのはデラウエア州(9.9Mbps)で,ロードアイランド州(9.8Mbps),ニュージャージー州(8.9Mbps),マサチューセッツ州(8.6Mbps),ニューヨーク州(8.4Mbps)が続いた。

 一方,最も遅いのはアラスカ州(2.3Mbps)。次いで,アイダホ州(2.6Mbps),アーカンソー州(3.1Mbps),サウスカロライナ州(3.6Mbps),ミシシッピ州(3.7Mbps)となる。

 FCCは,米国再生・再投資法(ARRA:American Recovery and Reinvestment Act)により,全国民がブロードバンドを利用できるようにする全米規模の計画を2010年2月17日までに連邦議会に提出する予定。計画策定に向けて,ブロードバンドの定義に関するパブリック・コメントを募集している(関連記事:ブロードバンドの条件とは?---FCCがパブリック・コメント開始)。

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