米NIST(National Institute of Standards and Technology)は,同機関が定めた「NIST Smart Grid Interoperability Standards Framework (Release 1.0)」と呼ぶスマートグリッド関連標準のフレームワークを2009年9月に公開すると発表した(発表資料)。スマートグリッドへの関心の強さに比例して,導入のために標準を定めることが不可欠との機運が関連業界で高まっている。スマートグリッド関連の標準フレームワークを定めるNISTのプロセスが特に注目されるのはこのためだ。NISTは,このフレームワークを2009年9月21日の週に公開して,公式コメントを受けるプロセスを開始する。

 米エネルギー省(Department of Energy)は,米連邦政府が2009年2月に設立した「米国再生・再投資法(ARRA:American Recovery and Reinvestment Act) 」(Tech-On!関連記事)から受けた資金からの1000万米ドルをNISTに与えた。NISTがスマートグリッド関連の標準フレームワークを定めるプロセスを推進したのはこの資金供与による。NISTが全米最大の電力系研究機関Electric Power Research Institute(EPRI)と協力して,スマートグリッド標準の最初のフレームワークを定めるプロセスを開始したのは2009年4月である。NISTは,こちらの成果についても,2009年9月に公開する予定のNIST Smart Grid Interoperability Standards Framework (Release 1.0)に盛り込む予定だ。

 NISTはまた,今回策定するフレームワークのための新しい標準の開発を推進する2年間の契約を,電力業界のコンサルティング企業米EnerNex Corp.と結んだ。この契約に基づき,EnerNex社はスマートグリッド関連の標準を管理する「Smart Grid Interoperability Standards Panel」という団体をこれから設立する。さらに,同社はスマートグリッド標準に関連する情報をデータベースに蓄積して,公開する予定である。