昭和シェル石油と日産自動車は,昭和シェルの次世代型CIS太陽電池と日産の最新型車載用リチウム(Li)イオン2次電池を組み合わせた電気自動車用(EV)の急速充電システムを共同で開発すると発表した。

 この急速充電システムは,次の三つの特徴を持つ。第1は,太陽光を最大限活用し,走行時だけでなく,発電時もCO2などの排出ガスがゼロとなる完全なゼロ・エミッション車としてのEVの普及に役立つこと。第2は,Liイオン2次電池を利用することで,停電時にも電力の供給が可能な災害対応機能を持たせ,地域住民の災害拠点としての役割も担えること。最後は,系統電力への負荷の平準化を図り,小規模契約電力でも導入が可能なシステムとすることである。

 今回の共同開発は,経済産業省による「平成21年度 電気自動車普及環境整備実証事業(ガソリンスタンド等における充電サービス実証事業)」の委託事業の一環として実施されることになる。なお,次世代型CIS太陽電池とLi2次イオン電池を組み合わせた急速充電システムの技術は将来的に,住宅での利用や大規模太陽光発電所(メガソーラー)への応用が期待されている。