ブンアン1石炭火力発電所の建設所在地
ブンアン1石炭火力発電所の建設所在地
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 双日は東芝とともに,ベトナムのブンアン1石炭火力発電所(ハティン省)向け蒸気タービン発電機の機器供給契約を,ベトナム国営建設会社のLILAMA社(本社ハノイ市)と締結した。受注した蒸気タービン発電機は,発電容量が600MW級のものが2台で,受注金額は約110億円。

 今回の契約は,ベトナムにおける双日のビジネス実績,および東芝の技術力と機器の信頼性や米国をはじめとした世界各国への納入実績が評価されたもの。双日は,ベトナムにおいて,独立系発電事業プロジェクトの「フーミー3」への出資をはじめ,水力発電所の改修,発電設備や変電設備の受注などの実績がある。東芝にとってベトナムでの石炭火力発電所向け蒸気タービン発電機の受注は初めてのこと。双日と東芝は,蒸気タービン発電機を2011年11月までに納入し,同発電所は2012年から運転開始予定。

 現在,ベトナムでは高い経済成長率を背景に,2015年までの6年間で約3万MWの発電設備増強計画があり,同国内で産出される石炭消費を視野に,その半分以上を石炭火力による発電で賄う計画。同国政府は,2015年には石炭火力発電の比率を現在の3倍強の約45%に引き上げることを目指している。ベトナムでは今後,1機当たりの発電容量が600MW級の発電所建設計画が数多くあり,今回のブンアン1石炭火力発電所は,最初の案件として注目されている。