2009年度の売り上げ台数の見通し
2009年度の売り上げ台数の見通し
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 ホンダは,2009年7月29日に2009年度第1四半期の連結決算を発表し,2009年度の通期予想を変更し,営業利益を上方修正した(関連記事)。売上高は対米ドルが円高基調にあり,当初の見通しから900億円減の8兆2800億円と落ち込むものの,営業利益は当初見通しから600億円増となる700億円に引き上げた。

 自動車の販売台数の見通しでは,当初予想より日本で8万台と中国で5万台,上方修正した。その結果,日本とアジア,その他の地域で16万台の販売台数の増加を想定するものの,米国と欧州で7万5000台の下方修正があり,全世界では8万5000台の上方修正になるという。具体的には,日本では当初予想の55万5000台から63万5000台に引き上げている。エコカーに対する減税と補助金の効果が出ており,「足元の受注は好調」(ホンダ 代表取締役副社長の近藤広一氏)という。特に「インサイト」「フィット」「フリード」が好調で,2008年度の国内販売台数(55万6000台)を超える見込みである。

 中国を含むアジアは当初予想の77万5000台から84万台に,その他の地域は同24万台から25万5000台に引き上げた。これに対して,北米は当初予想の135万台から130万台に,欧州は同29万台から26万5000台に引き下げた。ただし,米国については,燃費の良い車種に買い換える際に4500米ドルの補助金を出す「キャッシュ・フォー・クランカー」の導入が6月末に決まり,手続きなどの詳細がここ最近明らかになったことで,「今週くらいから効果が出てくるかもしれない」(近藤氏)とした。