「Android」の組み込み機器への普及を促進する団体「OESF(Open Embedded Software Foundation)」は2009年7月29日,Androidをベースに組み込み機器向けのソフトウエアを独自に追加・修正した「OESF Embedded Master(EM) Distribution」の公開について明らかにした。

 Androidは,米Google Inc.が開発したソフトウエア・プラットフォームで,主にスマートフォンへの搭載を前提に開発された。OESFではこれをMIDなどと呼ばれるモバイル端末,テレビやデジタル・カメラなどの情報家電,デジタル・フォトフレーム,セットトップ・ボックス(STB)などに展開するため,会員企業が組み込み機器での実装に必要なソフトウエアの開発や最適化を進めている。

 Embedded Masterの第一版(EM1:開発コードはBlueberry)は,Android のVer.1.5にDLNAやOSGiのフレームワーク,SIPスタック,Bluetoothのプロファイル,HD映像の再生ソフトウエアなどの機能を加えた。2009年11月に会員向けに,2010年2月に一般向けに無償で公開する。

 さらにAndroidのVer.2.0をベースに改良を加えたEmbedded Masterの第二版(EM2:開発コードはCinnamon)を,2010年3月に会員向けに,2010年6月に一般向けに公開する予定である。

 また,OESFのワーキンググループの一つである「System Coreワーキンググループ」では現在,「Light Weight Android」,つまり軽量版Androidの開発を進めているという。例えば,血圧計や万歩計といった機器では,搭載するハードウエア・リソースがかなり限られている。こうした機器向けに不要なコンポーネントを省略した軽量版を開発し,公開する予定という。