連結決算について発表する代表取締役副社長の近藤氏
連結決算について発表する代表取締役副社長の近藤氏
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 ホンダは2009年7月29日,2009年度第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比30.2%減の2兆22億円,営業利益は同88%減の251億円だった。自動車事業,2輪事業,汎用事業のすべてで売上台数が前年同期に比べて減少した。それでも,アジア地域(ベトナム,インド,インドネシア)を中心とした2輪車と,中国での自動車の販売台数が伸びたことや,ファイナンスの改善,販売管理費や研究開発費の削減,コストダウンの効果により,営業利益は251億円の黒字となった。期初は「赤字を想定していた」(ホンダ 代表取締役副社長の近藤広一氏)という。

 第1四半期の世界での自動車(四輪車)販売台数は,前年同期比20.4%減の76万6000台だった。同事業の売上高は同31.6%減の1兆5234億円となった。営業損益は前年同期から1716億円減となる213億円の赤字となった。ただし,2008年度第4四半期は2754億円の赤字だったため,大きく回復している。

 地域別では北米での販売台数が最も落ち込んだ。北米は前年同期比で13万7000台少ない32万3000台だった。米国の新車市場は2009年当初は年間1050万台とみていたが,「1000万台程度になる可能性がある」(近藤氏)というほど,回復が遅れているという。一方,欧州は6000台少ない6万9000台だった。

 日本市場は前年同期とほぼ同じ12万8000台。「インサイト」と「フィット」,「フリード」が好調に推移したという。アジアは中国での生産が増加しているものの,3万2000台減となる18万9000台だった。その他の地域は,2万1000台減となる5万7000台となった。

 ホンダは,2009年4月28日に発表した期初予想から2009年度通期での連結業績の見通しを変更した。売上高は8兆2800億円,営業利益は700億円と,期初見通しから売上高は900億円減少するものの,営業利益は600億円上方修正した(関連記事)。前年度と比べると売上高は17.3%,営業利益は63.1%減少することになる。純利益は前年度比59.9%減となる550億円を予想する。同社では通期の為替相場を1米ドル91円(上期93円,下期90円),1ユーロ127円(上期129円,下期125円)と想定している。