米IDCは米国時間2009年7月15日,世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。それによると,2009年第2四半期の出荷台数は前年同期から3.1%減少したが,2期連続で事前予測を上回り,市場が徐々に復活している兆しが見られたという。同期は,事前予測として同6.3%減が見込まれていた。

 第2四半期は,高性能製品よりも個人向けの価格を重視した製品が好調で,ポータブル・パソコンはすべての地域で出荷台数が増加した。企業部門は,引き続き支出に対して慎重な構えを見せており,コンシューマ部門のように価格低下や新しいポータブル製品などに興味を示していない。

 ちなみに,米Gartnerが同日発表した速報値によれば,第2四半期の出荷台数は6810万台で,前年同期から5%減となった。同社は6月に同9.8%減少するとの見通しを明らかにしていた。

 地域別では,米国市場は前年同期比3%減で事前予測と一致した。小売部門とポータブル部門は予測を上回ったが,企業部門とデスクトップ部門が予測を下回った。EMEA(欧州/中東/アフリカ)地域は,2期連続で縮小。コンシューマ部門におけるミニノートの好調によりポータブル・パソコン市場は1ケタ台の成長を達成したが,企業部門における売り上げが不調だった。

 日本では出荷台数が予測を下回ったものの,前年比の出荷台数は第1四半期から大きく改善した。コンシューマ部門では,低価格のポータブル機器が好調だった。日本を除くアジア太平洋地域では,ポータブル製品がけん引して出荷台数が予測を上回った。

 IDCは,下半期における新製品の投入や季節的な成長のほか,政府の景気刺激策,比較的安定してきた株式市場と金利などを要因とする経済に対する信頼度の向上により,2009年末までにパソコン市場は成長軌道に復帰すると予測している。

発表資料(1)
発表資料(2)