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「もう皆が知るMacrovisionではない」,「Rovi」への社名変更を前にMacrovision社が語る

米Macrovision Solutions Corp. Corey Ferengul氏

竹居 智久=日経エレクトロニクス
2009/07/15 09:14
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 アナログ映像信号のコピー防止技術などで知られる米Macrovision Solutions Corp.は,米国時間の2009年7月15日に「Rovi」に社名を変更する予定であることを発表した(英文の発表資料)。同社は電子番組ガイドを手掛ける米Gemstar-TV Guide International, Inc.や,音楽コンテンツのメタデータを提供する米Muze, Inc.を買収するなど(Tech-On!の関連記事1関連記事2),ここ2年ほど,企業買収や事業分割を繰り返してきた。その数は2007年後半から数えると10件を超えるという。同社 Executive Vice President, MarketingのCorey Ferengul氏に,Macrovision社が何を目指しているのかを聞いた。

―― 企業の買収や,事業の分割を繰り返していますね。

Macrovision社 Executive Vice President, MarketingのCorey Ferengul氏
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 2007年後半から,我々は大きな変革の時期に入りました。約1年半の間に,10件以上の企業買収や事業売却を行ったのです。2007年12月時点では850人の社員がいましたが,その中で今もMacrovision社に残っているのはたった250人です。今のMacrovision社の社員は1300人ですから,その変化の大きさが分かると思います。多くの人が「Macrovision」と聞いて想像する姿とは,大きく異なっています。

 その変革は,「デジタル・メディア」の分野に注力しようと決めたことによるものです。コンテンツが物理媒体からデジタル媒体に移行するという破壊的な変化の中で,新しいビジネスや新しいユーザーが生まれると考えたのです。まず,2007年11月から同年12月にかけて,コンテンツのメタデータを提供する米All Media Guide Holdings, Inc.(AMG社)と,電子番組ガイドを手掛けるGemstar-TV Guide International社の買収を立て続けに決定しました。同時期に米Cryptography Research, Inc.から,Blu-ray Discの著作権保護技術の事業も買収しました。

 その一方で,非常に大きな事業部門だったソフトウエア事業を2008年4月に売却しました。「InstallShield」「FLEXnet Publisher」といったソフトウエアを提供する事業です。現在は米Acresso Software Inc.として事業を継続しています。そのほかにも,米国で展開していた「TV Guide Magazine」や「TV Guide Network」,競馬チャンネルなどの事業を売却しました。

 現在のMacrovision社の売り上げは,デジタル民生機器向けが35%,サービス・プロバイダー向けが35%です。デジタル民生機器向けは,電子番組表やDLNAミドルウエア,著作権保護技術などのライセンスが中心。サービス・プロバイダー向けの売り上げのほとんどは,北米や南米のCATV事業者への電子番組表のライセンスです。メタデータの提供や,映画会社への著作権保護技術のライセンス,電子番組表への広告掲載といった事業が,売り上げの残り30%を占めます。

―― 事業の分割や買収を経たMacrovision社は今,どのようなゴールに向かって進んでいるのでしょうか。

 テレビ放送や,オンラインのサービス,家庭内のコンピュータに蓄積したものなど,ユーザーが接触するデジタル・メディアは多岐にわたります。それらに含まれる大量の映画やテレビ番組,音楽,写真などを統合的に,かつ簡単に発見,検索,視聴,管理できるという体験をユーザーは求めているはずです。それも,家庭内の最も高価な機器の一つであるテレビには,ノート・パソコンや携帯電話機よりも高度な体験を求めるのが普通ではないでしょうか。でも,今のテレビは,その期待に応えきれていない。

 我々は,電子番組表とオンライン・サービス,家庭内のコンピュータなどに含まれるデジタル・メディアを統合的に扱えるソフトウエアの提供を目指しています。そのときに必要となる,デジタル・メディアの識別技術や著作権保護技術,デジタル・メディアのメタデータなども合わせて提供しますし,多種のデジタル・メディアを複合的に見せるときのユーザー・インタフェースの研究を手掛けている部門もあります。

Macrovision社が開発中の「Neon」の画面。2009年1月の「InternationalCES」で発表した
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 その将来像に向けた第1のステップとして開発しているのが,「Neon」(開発コード名)と呼んでいる,テレビやセットトップ・ボックス向けのソフトウエアです。Gemstar-TV Guide社の電子番組表ソフトウエア,旧Mediabolic社のDLNAミドルウエア,AMG社のメタデータなどを統合したものです。テレビ放送,家庭内のDLNAサーバー,オンラインのビデオ・レンタル・サービスなどに含まれるデジタル・メディアの情報を,統一された操作画面で閲覧し,それらを視聴できるようにします。これを,テレビやセットトップ・ボックスなどのメーカーに提供していきます。2009年末に北米で出荷を開始する予定で,その後,日本でも展開します。

 Neonには,利用者に応じてコンテンツを推奨する機能も統合します。これは,パナソニックのテレビに採用された,ユーザーの視聴履歴に応じて注目番組を推奨する機能を応用したものです。

―― ユーザーが視聴するデジタル・メディアとして,動画共有サイトなどもあると思います。一般ユーザーがWeb上に投稿したコンテンツも表示するようになるのでしょうか。

 我々は,テレビ番組や映画,音楽(CD)などの,メディア企業が提供する商用のデジタル・メディアを統合的に扱えるようにすることに主眼を置いています。オンライン・サービスについても,まずは放送局などが提供する動画配信サイトに対応させます。動画共有サイトなどのコンテンツへの対応も予定していますが,Neonの次のバージョン以降になります。

 そのとき,商用コンテンツと,動画共有サイトのコンテンツを横断的に検索し,その結果を同じ画面で一覧表示するといった形にはしないつもりです。動画共有サイトには,著作権者に許可を得ずに投稿しているコンテンツが依然として存在するからです。別の画面に切り替えて検索するためのボタンを用意するといった形で,明確に分離させるつもりです。

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