図◎SCiBの特長
図◎SCiBの特長
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 「私たちは、次世代2次電池として登場したばかり。しかし、自動車メーカーからのSCiBの評価には、十分な手ごたえを感じています」。そう語るのは、東芝・電力流通・産業システム社の2次電池システム技師長、本多啓三氏である。東芝は、チタン酸Liを負極に使用したLiイオン2次電池「SCiB」で産業用二次電池事業に参入。昨年の春から量産を開始し、電動自転車や工場内自動搬送車などで着実に実績を積み重ねている。その東芝が次に狙いを定めているのが、ハイブリッド自動車や電気自動車用のLiイオン2次電池。一般産業用のセルをベースに、出力性能を高めたHEV用のタイプの開発を既に完了している。さらに、今秋からは、高エネルギータイプのEV用Liイオン2次電池のサンプル出荷を開始する。本多氏に、同社の自動車用Liイオン2次電池の開発指針や特長を聞いた。

-SCiBと従来のLiイオン電池の違いについて教えて下さい。

 SCiBと従来のLiイオン電池の大きな違いは、従来の電池は負極に炭素系の材料を使用しているのに対し、SCiBはチタン酸Liを使用していることです。主成分の酸化チタンは、絵の具や塗料などに使用されているセラミックスの一種です。そういうものをナノレベルの非常に微細な粉体に加工し、電極材料に使用しています。負極材にチタン酸Liを使用することにより、正極材や電解液などの選択の幅も大きく広がりました。そうして、従来のLiイオン電池では困難であった各種の効果が生まれたのです。

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