2009年6月に開催された「2009 Electronic Entertainment Expo(E3)」で発表されたPSP go
2009年6月に開催された「2009 Electronic Entertainment Expo(E3)」で発表されたPSP go
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 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は,2009年内に携帯型ゲーム機「PSP(PlayStation Portable)」に向けたコミック・コンテンツ配信を国内で始めると発表した。

 コンテンツは,PlayStation Store上に用意する。PSPからPlayStation Storeにアクセスするか,パソコンからソフトウエア「Media Go」を介してPlayStation Storeにアクセスすることで,コンテンツを購入・ダウンロードできる。現行のPSPシリーズ(PSP-1000,PSP-2000,PSP-3000)と,2009年11月1日に発売するPSP goでコンテンツを読むことができる。なお,プレイステーション 3では利用できない。

 用意するコミック・コンテンツは,「セルシスとボイジャーが開発する『BookSurfing(ブックサーフィン)』と,シャープが開発する『XMDF』に対応したフォーマットを採用する」(SCEJ 広報担当)という。これらのコンテンツを,PSP向けに独自に用意する専用ビューワを利用して読む。「携帯電話機向けなどに提供されているBookSurfingやXMDFのコンテンツをPSPで読むことはできない」(同)。

 「今回は,あくまでコミック・コンテンツの配信を始めるという宣言」(SCEJ 広報担当)であるため,用意するコンテンツの数や,専用ビューワの提供方法など,詳細は現時点では非公開とする。

 コミック・コンテンツのような電子書籍コンテンツをPSPで読めるようになるのは,今回が初めて。当初はコミック限定の試みだが,今後,対象とするコンテンツを小説などの書籍や新聞などにも広げる可能性がある。ソニーは米国で,電子書籍端末「Reader」を販売しており,現在,好調な売れ行きを見せている(日経エレクトロニクス2009年6月29日号の特集「電子書籍 メジャーへのページをひらく」参照)。ただし,国内ではしばらく,こうした専用端末は受け入れられないという見方も少なくない。このため,PSPという既存のプラットフォームを利用して国内の電子書籍事業を拡大していこうとする戦略は,十分にあり得るだろう。