2009年上半期と下半期の比較
2009年上半期と下半期の比較
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 調査会社の米IC Insights, Inc.は,半導体市場が2009年下半期に回復するとの見通しを発表した(発表資料)。半導体の世界売上高は2009年下半期に対直前期比18%,半導体のファウンドリーの世界売上高は同43%増加する見通しという。

 同社によれば,世界経済と半導体市場は2009年第1四半期に底を打ったという。2009年上半期は,季節要因によるエレクトロニクス製品の販売の低迷や半導体の在庫調整,景気後退などによって低迷するものの,2009年下半期はプラス成長を遂げると見込む。季節要因によるエレクトロニクス製品の販売の伸びや半導体の在庫補充,世界全体のGDPの増加が後押しするという。

 IC Insights社が予測する2009年下半期の半導体の世界売上高は,対直前期比18%増の990億米ドル。平均販売価格の上昇に加え,季節要因によるエレクトロニクス製品の販売の増加が貢献するとする。半導体のファウンドリーの2009年下半期の世界売上高は,同43%増の99億米ドルと見込む。2009年第2四半期の世界売上高が,「直前期に比べてほぼ2倍となっていることが注目に値する」とIC Insights社は説明している。

 IC Insights社が「半導体産業の下降局面の中で最も深刻な打撃を受けている」とする半導体装置メーカーも,2009年後半には一息つけそうだという。半導体産業の設備投資額が2009年下半期には,直前期より28%増加すると見られるためである。IC Insights社が調査している主要な半導体メーカーは,2009年の設備投資の予算の多くを2009年下半期に投入することを予定している。例えば,韓国Hynix Semiconductor, Inc.は2009年の設備投資のうち,30%を上半期に,残りの70%を下半期に計画しているという。

 2009年下半期に大幅な伸びが期待できそうなエレクトロニクス製品は,携帯電話機やパソコン。2009年下半期の携帯電話機の出荷台数は対直前期比18%増の5億9500万台,パソコンの出荷台数は同15%増の1億4790万台の見通しという。