Web関連技術の標準化団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)は2009年7月2日,HTMLの次期仕様と目されていた「XHTML 2」のワーキング・グループの活動を2009年末に終了し,別のHTML次期仕様である「HTML 5」の標準化に注力すると発表した。これにより,HTML 5が次世代のHTML仕様であることが事実上,確定した。

 HTML 5は,2008年1月22日に最初のドラフト(草案)が公表され,2010年に正式に勧告される見込みの,新しいHTML仕様。米Google Inc.が2009年5月に発表したコミュニケーション・プラットフォーム「Google Wave」が全面的に採用したことから注目されている。

 W3Cは当初,HTMLに代わる仕様として,HTMLをXMLで定義し直した「XHTML」を想定していた。しかし,XHTMLに不満を持った米Apple Inc.とMozilla Foundation,ノルウェーOpera Softwareが共同で「Web Applications 1.0」という独自仕様を策定。これに「Web Forms 2.0」という仕様を取り込み,W3CがHTML 5として正式に採用したという経緯がある。

 HTML 5では,グラフィックス描画や動画/音声の再生のためのタグが追加され,Webページの表現が強化される。また,ローカル・データベースなどWebアプリケーション向けの機能も追加される。