導電性高分子膜「CLEVIOS PH1000」
導電性高分子膜「CLEVIOS PH1000」
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 ドイツの化学メーカーH.C. Starck Clevios GmbHは,導電率が1000S/cmと高い導電性高分子膜「CLEVIOS PH1000」を開発し,サンプル出荷を開始した(ニュース・リリース)。高分子材料にはPEDOT(ポリエチレンジオキシチオンフェン),ドーパントには,ポリスチレンスルホン酸(PSS)を用いた。今回,この高分子を最適化することで導電性を高めたとする。膜厚100nmのときの表面抵抗は100Ω/cm2。粘度は35mPa・sである。今後,さらに導電率の向上を図ることで,タッチ・パネルやITOの代替を狙う。

 PEDOT/PSSは,高い導電性に加えて,透過率が高い,フレキシブルといった特徴があるために,容易に組み込めるなどの利点を併せ持つ。このほか,スパッタから印刷によるウェット・プロセスまでのさまざまな製造工程を容易に適用できるという。PEDOTを用いた高分子膜は2009年3月に三洋電機らが発表している。この高分子膜は導電率が1200S/cmと高く,膜厚120nmの場合のシート抵抗は68Ω/cm2だった(Tech-On!関連記事)。