井関農機は,中国吉林省の中機北方機械が,井関農機の技術供与と同社現地企業(本社常州)からの部品供給を受け,2009年6月25日から自脱型コンバインの生産を開始したと発表した。

 井関農機は,中国政府が進める食糧不足対策,バイオエネルギー戦略を見据え,自脱型コンバインを現地で製造販売し,吉林省の農業機械化に貢献していく考え。同社は,既に吉林省において自社ブランドで自脱型コンバインを販売しているが,市場拡大が予測される吉林省での生産拡大が見込まれることから,今回の自脱型コンバインの技術供与と部品供給契約の締結に至った。中機北方機械は,中国国営企業である中国農業機械化科学研究院が吉林省で出資している企業の一つ。吉林省の誘致により2007年11月に設立され国家的農業政策を推進する重要な企業として位置づけられている。

 中機北方機械は,井関農機の自脱型コンバイン「HF608/同558」(中国型式)を中国吉林省での非独占使用権に基づいて生産する。部品・ユニットについては,2009年は約90%を井関農機(常州)から購入し,以降徐々に比率を下げ2012年は約60%の購入を目標とする。商標は「中機北方機械 井関」。中機北方機械の販売計画は2009年は400~500台,2012年は700~800台としている。