昭和シェル石油と同社100%子会社の昭和シェルソーラー(本社東京)は2009年6月24日,サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社と共同で,同国内で太陽光発電による小規模分散型発電事業の可能性を調査すると発表した。基礎調査の後に小規模な発電設備を設置し,小規模独立型電力系統(マイクログリッド)への接続といった技術課題を検証する。この結果を踏まえて同国内での本格的な事業化へ移行する計画である。

 サウジアラビア政府は経済基盤の多様化を積極的に進めており,その中核的な取り組みとして,太陽光発電の導入を決めた。その推進を担うのがサウジアラムコ社である。昭和シェル石油では,CIS太陽電池の技術などが評価され,パートナーに選ばれたとしている。昭和シェルソーラーは,宮崎県内の二つの工場でCIS太陽電池「Solacis」を量産している。CIS太陽電池は,シリコンを使用しないで銅(Cu)/インジュウム(In)/セレン(Se)を主成分とする化合物系の薄膜太陽電池。変換効率向上の余地が大きく,製造工程がシンプルで使用する原料が少ないことからコスト低減が期待されている。