図1
図1
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図2
図2
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図3
図3
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 テクノ・システム・リサーチ(TSR)は,2009年におけるデジタル・カメラの生産台数を予測した。2008年は1億2971万台,2009年は前年比5.7%減の1億2230万台になると,TSRはみている 注1)。

 ブランド別や製造元別にTSRのデータを見ると,主な変化は三つある。
 (1)ソニーにおける内製台数が2009年に急減する
 (2)台湾Altek(華晶)社が2008年に急伸し,カメラ受託製造業で首位に立った
 (3)韓国Samsung Digital Imaging社がカメラ業界で3位の地位を確実にしている

 図1を見てほしい。2007年から2009年における生産台数を示している。ここでは,例えばソニーが台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海)社に製造を委託したカメラは,Hon Hai社のものとしてカウントされている。

 目を引くのは,ソニーが2009年に内製台数を一気に300万台減らすとTSRが予測したこと。この恩恵は,台湾Ability(佳能)社などに及ぶとみられる。さらに,Altek社が急伸したことも目を引く。Altek社の伸びは,カメラ業界で予想されていたとはいえ,2008年に受託業で一気に首位に立ったことは驚きに値する。

 TSRによると,Altek社は2008年に米Eastman Kodak Co.に向けて,1085万台ものデジタル・カメラを製造した。前年は680万台だった。代わりにKodak社の注文を逃したのは,シンガポールFlextronics社や三洋電機である。

 OEM/EMS企業への外注分を含めたブランド別の生産台数では,Samsung社がとりわけ堅調だ(図2)。同社は2007年に世界3位に上り詰めたが,勢いは2009年も続くとTSRはみる。2009年には,大半のカメラ・メーカーが2008年より生産台数を減らす。この中にあって,Samsung社の生産台数は前年比8.9%増,富士フイルムは6.8%増,リコーは±0%とTSRはみる。

 一眼レフなどのレンズ交換機についてTSRは2009年,パナソニックが伸び,HOYAが落ち込むと予測している(図3)。

注1)これら生産台数は,ブランドにおけるものであり,OEM/EMS企業における生産台数ではない。つまり,OEM/EMS企業がカメラ製造を終えていても,ソニーやSamsung社といった企業への出荷が済んでいないものは,カウントされていない。