独ENSINGER社は,英VICTREX社が開発したポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)「VICTREX ST」を用いた切削加工用の丸棒や板材を「TECAPEEK ST」として製品化する。日本では,ENSINGER社の日本法人であるエンズィンガージャパン(本社東京)が販売する。新製品は,ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に比べて耐熱性に優れるのが特徴だ。

 新製品のガラス転移点は,PEEKの143℃より20℃近く高い162℃。熱変形温度についても,PEEKの140℃から170℃に高めている。これまでよりも過酷な環境下で使用できる。

 150℃の環境下での曲げ強度は80MPaと,PEEKを使った素材「TECAPEEK」比で2倍以上の強度を持つ。曲げ弾性率は,室温環境と同程度とする。このため,自動車や電機・電子機器,半導体,石油,ガスといった分野において,従来のTECAPEEKでは耐熱性が不足していた用途で使える。

 なお,エンズィンガージャパンは新製品を,2009年6月24~26日に開催の「第13回 機械要素技術展」(東京ビッグサイト)に出展する予定。