ノルウェーOpera Software ASAは2009年6月16日,Webブラウザー「Opera 10」に組み込むWebサーバー・ソフトウエア「Opera Unite」を公開した。Webブラウザーを動かすと,その機器がWebサーバーとしても動作するようになる。このことを通じて,技術的に詳しくないユーザーでも簡単にファイルの共有などが可能になるという。現時点ではアルファ版程度の完成度で,同社の研究開発紹介サイト(Opera Labs)を通じてダウンロードできる。

 Opera Uniteのコンセプトは,Webの父であるTim Berners-Lee氏がWeb技術を開発する際に考えていたビジョンに近い。Berners-Lee氏はWeb技術を,情報提供者と情報利用者という関係ではなく,情報を相互に提供し合う関係を想定して作っていた。しかしパソコンなどでWebサーバーを動かすには,技術的な知識を必要とする。インターネット上で利用可能なアドレスを登録するのも簡単ではない。

 Opera Uniteでは,ユーザー管理をOpera社が提供するサーバーで実施することで,アドレスの問題をクリアする。Opera Uniteを利用するには,Opera社のサーバーにユーザー名とパスワードを登録する。このユーザー名などを利用して,個々のWebブラウザーのアドレスを識別するようにしている。

 Opera Uniteを利用したサービスとしては,グループで登録した楽曲をランダムに演奏する「Jukebox」や,チャット・ルーム「Lounge Service」を用意している。