図1●耐久性の概念
図1●耐久性の概念
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図2●光触媒の原理モデル図
図2●光触媒の原理モデル図
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 旭化成ホームズ(本社東京)は,旭化成,旭化成ケミカルズ(本社東京)と共同で,耐久性と防汚性に優れた光触媒塗料「デュラ光」を開発した。戸建て住宅の「ヘーベルハウス」と集合住宅の「ヘーベルメゾン」向けに,建物外壁表面仕上げのオプションとして2009年7月1日に発売する。

 デュラ光の特徴は高圧洗浄などをしなくても,30年にわたって建物外壁の外観を維持できること。このため,メンテナンス費用も低減できる。また,築30年目の外壁防水再塗装工事の際,デュラ光は再塗装できるので建物の耐用年数である60年目まで外壁の外観を維持できるという(図1)。

 一般的な光触媒塗装は,光触媒が日照を受けることで「分解力」と「親水性」が生まれる。これにより壁面に汚れが付着することを防ぐ「防汚効果」が発揮される。光が当たらない時にいったん付着した汚れも,光が当たった時に分解され雨が降った時に自動的に洗い流す「セルフクリーニング効果」により防汚性が維持される。一方,デュラ光は光触媒に親水物質を組み合わせたハイブリッド設計なので,日が当たらなくても常に親水性を保つため静電気を帯びにくく,汚れが付着しにくい(図2)。北側壁面や軒下など光や雨が当たりにくい箇所でも,防汚効果を発揮できる。

 外壁材は通常,工場で塗装してから建築現場に搬入される。しかし,建物の耐用年数を60年とし,その間に外壁材を交換はしないと考えると,30年目に現場での再塗装が必要となる。デュラ光は建築現場での吹き付け塗装なので,再塗装に対応できる。加えて,デュラ光は,外壁防水塗装の上に直接吹き付ける1コート施工なので,塗りムラなど生じにくく高い施工品質が確保できる。