図1 日経エレクトロニクス分解班が入手した「SOLAR PHONE SH002」
図1 日経エレクトロニクス分解班が入手した「SOLAR PHONE SH002」
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図2 2009年6月7日の天候は晴れ
図2 2009年6月7日の天候は晴れ
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図3 発表会での充電機能に関する説明資料
図3 発表会での充電機能に関する説明資料
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図4 電池残量ゼロの状態で充電を開始する。電子ペーパーには「最適充電中」のアイコンが表示
図4 電池残量ゼロの状態で充電を開始する。電子ペーパーには「最適充電中」のアイコンが表示
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図5 太陽光に対して少し傾けた状態。「充電中」のアイコンが表示
図5 太陽光に対して少し傾けた状態。「充電中」のアイコンが表示
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図6 日陰に入ると,「ソーラー利用不可」のアイコンが表示
図6 日陰に入ると,「ソーラー利用不可」のアイコンが表示
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図7 開始から約40分,「約1分間通話可能」のアイコンが表示
図7 開始から約40分,「約1分間通話可能」のアイコンが表示
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図8 約60分後,「約3分間通話可能」のアイコンが表示
図8 約60分後,「約3分間通話可能」のアイコンが表示
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図9 「5分以上通話可能」のアイコンが表示されたのは約85分後
図9 「5分以上通話可能」のアイコンが表示されたのは約85分後
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 筐体の背面部に太陽電池モジュールを搭載する携帯電話機「SOLAR PHONE SH002」を無事入手した日経エレクトロニクス分解班(図1,Tech-On!の関連記事)。まずは,この端末の最大の特徴である太陽電池モジュールの実力を確かめたい。KDDIによると,「快晴時に約10分間充電した場合,通話で約1分間,待ち受けは2時間程度利用できる」という(Tech-On!の関連記事1)。そこで分解に取り掛かる前に,太陽電池モジュールを使ってSH002の充電を試みた。

 日経エレクトロニクス分解班が,SH002の充電を開始したのは2009年6月7日の午後12時。少し雲はあるが,ほぼ快晴といえる(図2)。関東地区では2009年6月10日に梅雨入り宣言があったため,分解前の数少ない“充電日和”だった。

 太陽電池モジュールの評価方法だが,SH002には“ある機能”が搭載されている。表示部の筐体背面には1.1型のモノクロ電子ペーパーが搭載されており,充電に関する情報が表示されるのだ。太陽電池モジュールを使用中の充電効率は4段階(「最適充電中」「充電中」「充電停止」「ソーラー利用不可」)で,電源オフ時には充電後の通話時間の目安をアイコンで最大5分まで表示できる(図3)。このため今回は,電池残量ゼロの状態から開始し,「5分以上通話可能」のアイコンが表示されるまでの時間を測定することにした。

 まずは太陽光が照射される場所に端末を置く(図4)。晴れだったため,電子ペ―パーには「最適充電中」のアイコンが表示された。購入時に太陽電池モジュール表面に張ってあったシールには,<ソーラー充電に関するご注意>として「車内などに高温になる場所には放置しないでください。発熱・発火・変型や故障の原因となる場合があります」との記載がある。今回の配置は推奨条件とはいえないが,実験ということでご勘弁いただきたい。実際,太陽電池モジュールの角度を太陽光に対して背を向ける方向に傾けると,「充電中」や「ソーラー利用不可」に変化してしまう(図5,図6)。

 充電実験の結果であるが,10分経過しても通話可能のアイコンが表示されない。結局,「約1分間通話可能」のアイコンが表示されるまでの時間は約40分を要した(図7)。なお,「約3分間通話可能」は約60分後,「5分以上通話可能」は約85分後だった(図8,図9)。

 この結果は,前述した“快晴時に約10分間充電した場合,通話で約1分間”という公表値に対しては数倍の時間を要したことになる。実使用時における太陽光の強度や配置角度などを考慮すると妥当な結果といえるかもしれない。実際,KDDIやシャープはSH002に搭載する太陽電池モジュールを補助電源として位置付けている。アウトドアなどACアダプタを用いた充電ができない場合には役立つといえるだろう。

 太陽電池モジュールによる充電機能は確認できた。いよいよ分解作業に取りかかることにした。

――次回に続く――

(日経エレクトロニクスは2009年6月29日号に,「SOLAR PHONE SH002」の分解記事を掲載する予定です)