フジテレビジョンは,動画配信サービス「フジテレビ On Demand」で,Flash動画による有料ストリーミング配信を開始した(発表資料)。これにより米Microsoft Corp.のWindows以外のOSを搭載したパソコンでも視聴できるようになる。従来はMicrosoft社の「WMV(Windows Media Video)」形式だけで配信していた。WMV形式でも引き続き配信し,購入したコンテンツのWMV形式とFlash形式の両方を,追加料金なしで視聴できるとする。

 配信するFlash動画のビット・レートは2Mビット/秒で,解像度は816×459画素。従来のWMV形式での配信に比べてビット・レート,解像度共に高めた。加えてFlash動画では,動画符号化技術にMPEG-4 AVC/H.264が利用できるため,さらに画質を高められるとする。Flash動画配信システムはスキルアップジャパンが開発した「ULIZA」を採用した(発表資料)。ULIZAは米Adobe Systems Inc.の動画配信システム「Flash Media Server 3」をベースにしている。Flash Media Server 3の備える暗号化技術に加えて,ULIZAの認証技術により,強固な著作権保護を可能にしたとする。

 2009年6月15日のサービス開始当初は,フジテレビ地上波放送のドラマやバラエティ番組など13番組をFlash動画で配信する。2009年中には,フジテレビがパソコン向けに自社配信するすべての番組について,Flash動画も利用できるようにする予定という。Flash動画でのダウンロード配信は行わない。