Wowdの検索結果を表示するWebサイトの様子
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Wowdの場合,アクセス可能のWebページの情報を蓄積できると主張する
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Nitemite社の技術によるJ2MEのゲーム・ソフトウエアがAndroid上で動作する様子
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Netmite社のJ2MEソフトウエア・アプリケーションを,スマートフォン上で実行できるアプリケーションに交換する仕組み
Netmite社のJ2MEソフトウエア・アプリケーションを,スマートフォン上で実行できるアプリケーションに交換する仕組み
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Moblyng Games社のゲーム・ソフトウエアが,Facebook内で動作する様子
Moblyng Games社のゲーム・ソフトウエアが,Facebook内で動作する様子
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同ゲームがiPhone上で動作する様子
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reMobile社の携帯電話機リサイクル専用のキオスク端末
reMobile社の携帯電話機リサイクル専用のキオスク端末
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reMobile社のシステム概要
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 2009年6月9日に,米シリコンバレーの起業家団体「Silicon Valley Association of Startup Entrepreneurs(SVASE)」が「Launch: Silicon Valley 2009(Launch)」と呼ぶイベントを開催した。同イベントでは,約400社のベンチャー企業から,同団体が選んだ30社が企業の概要を公開した。これら企業の中でも,以下の企業がベンチャー投資家や技術企業の社員などの注目を集めた。

P2P型の検索エンジン

 米Wowd, Inc.(技術開発拠点はセルビアにある)(同社のWebサイト)は,同社のピア・ツー・ピア(P2P)技術を採用するWeb検索エンジンを公開した。Wowd社はパソコン上で動作するP2Pソフトウエアを開発しており,同ソフトウエアによるユーザーのWeb閲覧の履歴を他のP2Pソフトウエアで共有できる。米Stanford Universityが同社に投資している。

 Wowd社のシステムは主に2つの特徴がある。1)ユーザーの行動に応じて,データベースから新しいWebページを作成するWebサイトが多数あること。Wowdはユーザーの行動に応じてWebページの情報を取得しているので,他の検索エンジンより幅広いWebページ情報を蓄積できるという。2)ユーザーの個人情報は他のP2Pソフトウエアと共有しない。また中央のサーバー機が存在しないので,個人情報の漏洩などの危険性が低いという。

 同社は,動作中のP2Pソフトウエア搭載のパソコンにおいて,Webサイト情報を分析できるソフトウエア・アルゴリズムを独自開発した。さらに,P2Pソフトウエア・ネットワークから検索条件を1秒以内で結果を返すアルゴリズムもあるという。現在,Wowdはベータ版のサービスを提供中である。

異なるスマートフォンで動作可能に

 Launchでは,2社のベンチャー企業が,同一のアプリケーション・ソフトウエアを異なるスマートフォン用プラットフォームで動作させるための手法について発表した。

 米Netmite Corp. (同社のWebサイト)は, J2MEソフトウエアのバイナリーをAndroid搭載携帯端末上で動作させる技術を紹介した。同社の狙いは,既存の多数のJ2MEソフトウエアを,最近のスマートフォンでも利用できるようにすることだ。Android向けの技術は既に公開済みで,2009年第3四半期中にはiPhoneやPalm preに対応する予定である。その後,BlackBerryやWindows Mobile,S60などのプラットフォームにも対応する計画である。

 Netmite社は,携帯電話事業者や携帯電話機のメーカーへの営業活動を進めており,既に中国の携帯電話事業者と契約を結んでいるという。

 Netmite社と別のアプローチを採っているのが,米Moblyng Games社(同社のWebサイト)である。同社は,独自のゲーム・ソフトウエアをJavaScriptに基づいたWebアプリケーションとして公開しており,それを「Facebook」上で公開している。こうしたWebアプリケーションは,iPhoneなどのWebブラウザで動作できる。ただし通常の携帯電話機においては,ブラウザ内で動作するアプリケーションに対して,グラフィックス処理や加速度センサーなどの機能のアクセスを制限することが多い。このため同社は,スマートフォンのプラットフォーム用の「シェル」を開発し,携帯電話機上でこれらの機能を利用できるようにした。

 Moblyng Games社は,AndroidやBlackBerry,S60,米Palm, Inc.のwebOS対応のシェル環境を用意している。同社は,他のコンテンツ企業に同社のプラットフォームを提供することも検討している。

携帯電話機のリサイクル専用キオスク

 米reMobile社は,携帯電話機のリサイクル専用のキオスク端末を開発した。店舗に設置することを想定する。一般に携帯電話機のリサイクルの際には,店舗側において,スタッフが各種の作業をする必要があり,手間がかかっていた。reMobile社が開発したキオスク端末は,ユーザーが簡単操作で携帯電話機をリサイクルに出すことができるという。

 同社のキオスク端末では,ユーザーがキオスク端末内のコネクターに携帯電話機を接続して,ユーザーの個人データ削除などを行う。その後,画像認識技術を用いて,携帯電話機のスクリーンにひびが入っていないか,また筐体に多数の傷がないかといったことを調べる。こうした調査作業が終了すると,キオスク端末が受領証を自動的に発行する。この際に,店舗内の製品の割引券などをつけることもできる。キオスク端末はその後,携帯電話機に運送会社用のレベルを自動的に添付して,専用の集荷袋に収納する。

 reMobile社は,リサイクルされた携帯電話機を再販売することなどによって収益を得るという。同社はこうしたキオスク端末を,他の家電製品にも適用させることを計画している。現在,携帯電話機向けのキオスク端末が,量産段階に近づいているという。