日立製作所,Siを使って実用的な出力のミリ波通信用パワー・アンプを開発
日立製作所は,Siを使って,広い周波数範囲で実用的な水準の出力が得られるミリ波通信用電力増幅器(パワー・アンプ)を開発した(発表資料)。従来,Siを使った部品は化合物半導体を使う場合に比べて耐圧が低く,大出力を得ることが難しかったという。伝送信号を多段階で増幅する回路技術を開発し,これを利用して60GHz帯と80GHz帯に向けた2種類のパワー・アンプを試作した。化合物半導体製の高周波部品に比べて,製造コストの低減が期待できるとする。
試作した60GHz帯向けパワー・アンプの特性値は,飽和出力電力が12.6dBm,利得変動が1dB以内の周波数範囲(1dB変動帯域)が55G〜72GHzの17GHz幅。80GHz帯向けパワー・アンプは,飽和出力電力が10.3dBm,1dB変動帯域が66G〜85GHzの18GHz幅である。
今回,さまざまな大きさ(ゲート幅)のCMOS部品に対して,ミリ波帯で適用できる精密な設計モデルを構築したとする。効率的に伝送信号を増幅するための部品の数と大きさの組み合わせを決定する設計技術を開発した。加えて,異なる大きさのCMOS部品同士を接続する整合回路のカットオフ周波数を,部品の大きさに応じて意図的にずらした。これにより,一定の利得を示す周波数範囲を広くできたという。
今回の研究は,総務省の委託研究「電波資源拡大のための研究開発」の一環として実施した。日立製作所は今回の成果を,2009年6月7〜9日に米国マサチューセッツ州ボストンで開催された「IEEE 2009 Radio-Frequency Integrated Circuits Symposium(RFIC Symposium)」で発表した。
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