Senior vice president of Worldwide Product MarketingのPhilip Schiller氏
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JavaScriptベンチマーク・テストの結果。iPhone OS 3.0で3倍,さらにiPhone 3G Sで3倍高速化している
JavaScriptベンチマーク・テストの結果。iPhone OS 3.0で3倍,さらにiPhone 3G Sで3倍高速化している
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Voice Controlの例。さまざまな場面で利用できる
Voice Controlの例。さまざまな場面で利用できる
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32Gバイト版の価格。左がiPhone 3G Sの写真だが,見かけでは違いが分からない
32Gバイト版の価格。左がiPhone 3G Sの写真だが,見かけでは違いが分からない
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 米Apple Inc.は2009年6月8日,同社主催の開発者会議「WWDC(Worldwide Developers Conference)」の基調講演で携帯電話機の新機種「iPhone 3G S」を発表した。「S」はスピードを意味するという。従来機種に比べ,「最高で2倍の高速化を果たした」(Senior vice president of Worldwide Product MarketingのPhilip Schiller氏)。電池駆動時間も従来機より改善し,無線LANでWebブラウザーを閲覧している時間が約1.5倍,動画再生時間が約1.4倍,音楽再生時間が約1.3倍になったという。

 同日正式に発表した「iPhone OS 3.0」を標準で搭載する(Tech-On!関連記事12)。性能の向上は主としてマイクロプロセサの改訂によるものとみられる。従来機種が「ARM11」コアのマイクロプロセサを搭載していたことから考えると,おそらく「Cortex-A8」コアを搭載しているだろう。

 主な新機能は(1)動画撮影を含むカメラ機能の強化,(2)HSDPAに対応し,下りの通信速度を7.2Mbpsに向上,(3)音声による制御,(4)デジタル・コンパス機能の追加,など。(1)のカメラは画素数を300万に増やしたほか,焦点を当てたい場所を画面で触って指示する「Tap to focus」,暗い場所での撮影力の向上,自動マクロ切り替えなどが可能。またカメラ画面の中で撮影した動画のタイムラインを表示させたり,編集したりできる。撮影および編集した結果を「YouTube」などのインターネット・サイトで共有するためにアップロードする機能もカメラの中に取り込んだ。

 (3)の音声による制御は,iPhoneの「ホーム・ボタン」を押し続けると機能する。「call John Smith」としゃべれば,連絡先にあるJohn Smithの電話番号を調べて電話をかけてくれる。「What's Playing」と聞くと,現在再生中の音楽を教えてくれるという。

 価格は16Gバイトのモデルが199米ドル,32Gバイトのモデルが299米ドル。現行の「iPhone 3G」も継続して販売し,8Gバイトのモデルが99米ドルとなる。米国および欧州の主要国では6月19日から,日本を含む6カ国では6月26日から発売となる。