図1 デジタル・サイネージの市場規模推移
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図2 矢野経済研究所によるデジタル・サイネージの定義
図2 矢野経済研究所によるデジタル・サイネージの定義
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図3 デジタル・サイネージの認知度
図3 デジタル・サイネージの認知度
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 矢野経済研究所は2009年6月8日,街角の看板やポスターを電子化して動画や静止画を表示するデジタル・サイネージ市場に関する市場調査を発表した(PDF形式の発表資料1)。同調査によると,2008年度のデジタル・サイネージの国内市場規模は前年度比3.3%増の553億400万円だった(図1)。

 同社は,デジタル・サイネージのうち,液晶パネルやPDPから大型のLEDディスプレイを含めた市場を「広義のデジタル・サイネージ」とし,主に液晶パネルとPDPを表示機器とする市場を「狭義のデジタル・サイネージ」と定義した(図2)。狭義のデジタル・サイネージの市場規模は前年度比11.3%増の327億9700万円だった。

現状は成長鈍化も,2013年には808億円の市場規模へ

 景気後退の影響を受け,デジタル・サイネージ市場の成長は鈍化している。広義のデジタル・サイネージ市場は,2007年度は535億5500億円,2008年度は553億400万円であり,2009年度は569億円との見通しを示した。現在,一部の企業では事業改善の一環として,デジタル・サイネージの導入を順延,または遅延している状況にあるという。

 しかしながら矢野経済研究所では,現状は成長が鈍っているものの,2013年度には,広義のデジタル・サイネージ市場は2008年度に比べ約1.5倍の808億9000億円,狭義のデジタル・サイネージは同約1.8倍の577億6000万円まで成長すると予測する。なお,調査会社の米iSuppli Corp.によれば,世界のデジタル・サイネージ市場は出荷台数が2013年までに3倍に達すると予測している( Tech-On! 関連記事)。

認知度は20.7%と低い水準

 このほか,デジタル・サイネージの認知度に関する調査の結果も発表した(PDF形式の発表資料2)。これによると,デジタル・サイネージという言葉を知っている,あるいは聞いたことがある人は,合わせて全体の20.7%だった(図3)。2008年9月の前回調査に比べて認知度は3.5ポイント向上しているものの,デジタル・サイネージという言葉自体の浸透がまだまだ低い水準にあるといえる。調査は20代~50代の東京都在住の男女にインターネットで実施し,362人から回答を得た。調査期間は2009年5月20~21日。