過去を振り返る3人。左からJames Gosling氏とScott McNealy氏,Jonathan Schwarz氏
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Javaの過去を振り返るビデオを上映
Javaの過去を振り返るビデオを上映
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Oracle社のLarry Ellison氏が登場し,Javaへのサポートを明言
Oracle社のLarry Ellison氏が登場し,Javaへのサポートを明言
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 「2009 JavaOne Conference」の初日午前中のGeneral Sessionには,米Sun Microsystems,Inc.のChairmanであるScott McNealy氏が登場し,Javaの生みの親であるVice President and Sun FellowのJames Gosling氏と肩を並べてJavaの歴史を振り返るビデオを上映した。本来は,最新のイノベーションを開発者に訴える場であるJavaOneで,Javaを生んだ組み込み機器「*7」について聞いたのは,これが2度目になるのではないか。1度目は間違いなく,第1回目のJavaOneである。

 個人的な話で恐縮だが,筆者は最初のJavaOne以来,大体2~3年に1度のペースでJavaOneに参加し続けてきた。最初の熱気に満ちていた時期から,メジャー・リーグの試合を「JavaOne Day」にしてしまうほどバブルが広がっていた時期,そしてここしばらくの衰えの感じられる時期と,一通り顔を出している形になる(ついでに言えば,Javaの正式発表に先じて,インターネット関連の学会「INET '95」で,Javaを目撃している)。

 得てして過去を振り返るというのは,何か一区切りがついたときだ。そして,Sun Microsystems社は,ここ数年低迷を続けた結果,米Oracle Corp.による買収が決定した。「これが最後のJavaOneになるのではないか」という声は,ここ数年聞かれてきたが,経営の移動はその大きな転機となり得る。歴史を振り返ったビデオを作ったのも,本人たちがそれを覚悟しているという証拠ではないだろうか。

 かつては米Microsoft Corp.を主なターゲットとして,舌鋒鋭く強者を批判していたMcNealy氏は,いつの間にやら非常に温厚でソフトな語り口に変わっていた。いや,年齢を重ねて口が回らなくなったという印象が正しいだろう。そのMcNealy氏が壇上でOracle社のCEOであるLarry Ellison氏を迎えたのも,非常に象徴的なシーンだった。Ellison氏は「Javaに対するサポートはこれからも変わらない」と,開発者に対して安心するよう呼びかけた。だが,JavaOneという形で存続するかどうかはまだ確定していない。Javaに対する投資は継続すると明言したが,オープンな立ち位置をとり続けるかどうかはまだこれからの段階だ。

 General Sessionのホスト役を担ったSun社のCEOであるJonathan Schwarz氏の顔は,ややうつむき加減だがさばさばしたような表情のように見えた。2年前に力強くビジョンを語っていたときとはやや異なる印象を受けた。もちろん,見る側の思い入れを反映しているだけなのかもしれないが。