日立製作所と日立アプライアンス(以下日立AP)は,日立AP製冷蔵庫について公正取引委員会から2009年4月20日に「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に基づく「排除命令」を受けたことから,同年6月3日にカタログ,Webサイトなどでの製品環境情報の表示を適正に保つための対策を発表した。不当表示は,「R-Y6000」などの冷蔵庫9機種について,フレックス真空断熱材の芯材にリサイクル材を使用していると表示したが,実際には一部の期間で部分的にしか使っていなかった,などというもの。両社は原因究明,類似事例の洗い出し,再発防止に向けた課題抽出などを目的に調査を実施し,このほどその結果をまとめた。

 不当表示に至った原因について,日立APは設計部門と宣伝部門の連絡不徹底としている。課題としては(1)技術開発,製品設計,広告,表彰申請の各業務プロセスにおいて,製品環境情報表示の整合性を全体で網羅的に確認する仕組みがなかった,(2)広告宣伝物の表現については担当グループや担当会社に任されており,日立グループ全体の基準に照らして検証したり,定期的に見直したりする仕組みがなかった,(3)製品環境情報の表現に対する社員の理解が不十分だったこと,を挙げている。再発防止策としては(1)製品環境情報の取り扱いに関する規則「環境CSR対応製品環境情報規則」「環境関連表彰応募申請規準」の新設と,製品環境情報を扱う業務の明確化,(2)製品環境情報管理に関する講座の社員業務への組み込み――の2点を主に挙げている。また,社外有識者を加えた「アドバイザリーグループ」を日立製作所に設置,定期的に環境情報表現をチェックする役割を持たせる。