左下の黒い装置がProject Natalのシステムである
左下の黒い装置がProject Natalのシステムである
[画像のクリックで拡大表示]
Project Natalを紹介するSteven Spielberg氏(右)と,Microsoft社のDon Mattrick氏(左)
Project Natalを紹介するSteven Spielberg氏(右)と,Microsoft社のDon Mattrick氏(左)
[画像のクリックで拡大表示]
体を動かしながら,絵を作るゲームの実演
体を動かしながら,絵を作るゲームの実演
[画像のクリックで拡大表示]
Microsoft社の傘下である英Lionhead Studios社が開発した,Project Natalの実演。ゲーム内の仮想キャラクターと遊ぶゲームである。
Microsoft社の傘下である英Lionhead Studios社が開発した,Project Natalの実演。ゲーム内の仮想キャラクターと遊ぶゲームである。
[画像のクリックで拡大表示]

 「これで,新しいゲーム機のハードウエアを投入せずとも,ユーザーに新しいエンターテインメント体験を提供できる」(米Microsoft Corp.,Entertainment and Devices Division,Senior Vice PresidentのDon Mattrick氏)。米Microsoft Corp.は,米ロサンゼルス市で開催予定の「2009 Electronic Entertainment Expo(E3)」の前日イベントにおいて,Xbox 360に接続する「Project Natal(開発コード名)」と呼ぶ新型センサー装置を公開した(発表資料)。Project Natalは開発プロジェクトであり,発売時期や価格などは未定である。

 Project Natalとして示したシステムは,カメラなど複数のセンサー技術を採用しながらユーザーの体全体の動きや顔,声,さらにユーザーが持っているオブジェクトを認識する技術である。例えばユーザーがProject Natalの装置と接続したXbox 360に向かうと,顔認識を使ったログインを実行できる。ユーザーは,声で操作コマンドを入力したり,体全体の動きを使ってゲーム内のキャラクターを操作したりできる。

 Microsoft社のProject Natalの発表には,映画監督のSteven Spielberg氏が登壇し,Project Natalへの感想を語る場面もあった。同氏は約2カ月前に初めて,Project Natalの動作デモを見たという。「この技術は,ゲームの体験を大きく変えられると感じた」(Spielberg氏)。

独自ソフトウエアがカギ握る

 これまでも家庭用ゲーム機においては,体の動きなどを認識してゲーム内のキャラクター操作に生かす技術はあった。ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発した「EyeToy」(Tech-On!関連記事)などが代表例である。Project Natalの大きな特徴は,深度センサーなどを活用してユーザーの位置情報をより細かく把握してキャラクター操作に生かせるようにしたほか,音声認識技術を比較的多用していることという。Project Natalが採用する音声認識技術では,複数のユーザーの中から特定のユーザーの声を区別したり,ユーザーの声によって「ユーザーのフィーリングも理解できる」(Microsoft社)と主張している。

 Project Natalでは,ビデオ・カメラや「深度センサー」,マルチアレイ・マイクなどを使う。こうした技術から発生する情報を処理するため,Microsoft社は独自のソフトウエアを開発したという。