電動歯ブラシに加速度センサを搭載するに当たっては,モータの振動に左右されないよう,従来品より振動に強い基板材料を採用した。また,加速度センサの検知結果からモータによるデータを区別し,歯ブラシの制御に反映しないよう,ソフトウエア面でも工夫をこらしたとする。
オムロンはこれまで8000円程度までの低価格帯/中価格帯市場に製品を投入してきたが,今回の製品「HT-B551」は高級機の位置づけ。オープン価格だが想定価格は2万円前後という。高価格帯市場はこれまでドイツBraun GmbHやオランダRoyal Philips Electronics社など海外勢が席巻してきたが,世界初の加速度センサ搭載機でオムロンが切り込む。HT-B551に対して機能や付属のブラシを減らして価格を3000円ほど抑えた「HT-B550」も同時に投入予定。2機種合計で発売後1年間に5万台の販売を目指す。
従来機種との差異点は,加速度センサ内蔵のほか,筐体デザインの変更や充電器の新機能。従来機種はいわゆるペン形だったが,今回は磨きたい面に毛先が当たりやすいよう,S字に屈曲した形状を採った。また,歯周ポケットの入口に対して45度の角度で毛先が当たるよう,親指を置くべき推奨位置を筐体のグリップ部分にくぼみで示した。指の長さや利き手に合わせて使えるよう,4つのくぼみを設けた。
電池は従来機種で採用しているNi水素2次電池を使う。充電器には,円周状にLEDランプを配置。充電器から歯ブラシを抜くと20秒ごとに60度ずつ時計回りにランプが点灯していく。ユーザーが経過時間を視認できるため,磨く部位ごとのムラや磨きすぎを防ぐ効果があるとオムロンは説明する。