NTTドコモは2009年5月19日，携帯電話機の2009年夏モデルとして18機種を発表した（図1，2009年夏モデルの紹介ページ ）。2008年冬モデルから展開している「STYLE」「PRIME」「SMART」「PRO」の4シリーズの17機種と，コンセプトモデルとして6月公開予定の劇場版アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：破」とコラボレートした「SH-06A NERV」である（図2，図3， Tech-On! 関連記事1）。2009年5月22日以降，順次発売を開始する。
STYLE seriesでは，6機種を新たに発表した。同シリーズは，2008年冬モデルでは販売比率が全体の半分を超え，「デザインや豊富なカラーバリエーションが受け入れられた」（同社代表取締役社長の山田 隆持氏，図4）。新モデルの特徴は，3機種に搭載された防水機能で，お風呂や台所でもメールやワンセグ放送を利用する人が増えたことを受けて採用された。特に，富士通製の「F-08A」はIPX5/IPX7/IPX8準拠の防水性能を備える（図5）。これは，水深1.5ｍのところに携帯電話を沈め，約30分放置しても電話機として機能することを意味しているという。
PRIME seriesは，1000万画素のCCDカメラを搭載する「SH-06A」（シャープ製，図6）など高機能なものを中心に6機種だった。そのうち，今回新たに「iアプリタッチ」という機能を追加したものが5機種あった（2009年夏モデル全体では11機種）。これは，FeliCaを用いたBluetoothによる携帯電話同士の接続で，iアプリの通信対戦などが行える。また，NEC製の「N-06A」はWi-Fi機能を搭載した。「IEEE802.11b/g」方式の無線LANが組み込まれており，54Mビット/秒の高速パケット通信が可能となる。さらに，アクセスポイント（親機）とすることもでき，携帯型ゲーム機などのWi-Fi対応機器（子機）とアクセスできる（図7）。
SMART seriesの新機種は2機種。NEC製の「N-09A」（図8）にはクイック検索時に音声で文字を入力できる機能が搭載された。iモードやフルブラウザのほか，地図や辞典，画像などの検索も可能となる。ただ，音声を文字に変換する際に，パケット通信で外部のデータベースにアクセスする必要があり，電波が届かない場所では使えない。
PRO seriesは3機種。特に注目を集めたのが米Google, Inc.が開発した携帯情報端末向けプラットフォーム「Android」を日本で初めて搭載した携帯電話機「HT-03A」（台湾High Tech Computer Corp.製）だった（図9， Tech-On! 関連記事2）。シャープ製の「SH-07A」にはBlu-ray Discレコーダと連携する機能が付けられた。携帯電話を付属の卓上ホルダに置くだけで，レコーダに録画した番組をUSBケーブルを通して自動で転送する（図10，図11）。高画質モードの場合，640×480画素で30フレーム/秒で転送することができる。また，転送する番組はあらかじめ携帯電話用に録画されたもので，現在その機能が搭載されているBlu-ray Discレコーダは，BD-HDW40/35/32の3機種である。
