北米の液晶テレビ市場で覇権を争うソニーと米Vizio, Inc.が法廷でも熾烈な争いを演じている。ソニーと米国法人のSony Electronics, Inc.は米国時間の2009年5月13日,カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所にVizio社を提訴した。Vizio社保有の米国特許(特許番号5511096,5621761,5703887,5745522,5396518,5233629)をソニーが侵害していると指摘されたため,非侵害などの確認を求めるために確認訴訟を提起した。

 ソニーは2008年10月10日,Vizio社を特許侵害でカリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所に提訴していた。一方,Vizio社も2008年10月10日,ソニーと米Sony Corp. of Americaを相手取ってニュージャージー州連邦地方裁判所に訴訟を提起(この裁判は2009年3月27日,カリフォルニア中部連邦地裁に移された)。現在も係争中である。

 ソニーは2009年3月4日に,米Westinghouse Digital Electronics, LLCとの特許係争で和解している。Westinghouse社は,Vizio社と同じく米国に本社を構え,ファブレスで液晶テレビ事業を手掛ける,同事業では新興の企業。ソニーとはHDMIなどに関する特許侵害を巡って争っていたが,ソニーに有利な条件で和解が成立し,ライセンス契約を結んだという。ソニーは,Vizio社との係争でも同様の決着を狙う。

■変更履歴
記事掲載当初,「ソニー保有の米国特許をVizio社が侵害したとソニーは主張している」としていましたが,正しくは「Vizio社保有の米国特許をソニーが侵害していると指摘されたため,非侵害などの確認を求めるために確認訴訟を提起した」でした。また,Westinghouse社の社名を誤記していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。