連結決算を発表するソニー 代表執行役 SVP CFOの大根田伸行氏
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2008年度通期の連結業績。12.9%という大幅な減収のうち「約85%が為替の影響だった」(大根田氏)
2008年度通期の連結業績。12.9%という大幅な減収のうち「約85%が為替の影響だった」(大根田氏)
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エレクトロニクス分野の2008年度通期の業績
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エレクトロニクス分野の営業利益増減要因
エレクトロニクス分野の営業利益増減要因
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ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの2008年度通期の業績。販売台数が前年同期比15%減少の8880万台にとどまり,売上高が19%減少した
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの2008年度通期の業績。販売台数が前年同期比15%減少の8880万台にとどまり,売上高が19%減少した
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ゲーム分野の2008年度通期の業績。PSPとPS3の販売台数は2007年度より増加しており,2009年度はPSPが1500万台,PS3が1300万台を見込む。「PS3は2009年3月末時点では10数%の逆ザヤが続いているが,コストダウンを継続していく」(大根田氏)
ゲーム分野の2008年度通期の業績。PSPとPS3の販売台数は2007年度より増加しており,2009年度はPSPが1500万台,PS3が1300万台を見込む。「PS3は2009年3月末時点では10数%の逆ザヤが続いているが,コストダウンを継続していく」(大根田氏)
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 ソニーは,2008年度(2008年4月~2009年3月)通期の連結決算を発表した。売上高は7兆7300億円(前年度比12.9%減),営業損益は2278億円の損失(前年度は4753億円の利益),当期純損益は989億円の損失(同3694億円の利益)で,減収・赤字転落となった。主にデジタルカメラやパソコンなどで収益が悪化している。

 2008年度第4四半期(2009年1~3月)は,売上高が1兆5240億円(前年度同期比22.0%減),営業損益が2943億円の損失(前年度同期は61億円の利益),当期純損益が1651億円の損失(同290億円の利益)だった。

 通期業績を事業セグメント別に見た場合,エレクトロニクス部門の売上高は5兆4880億円(前年度比17.0%減),営業損益は1681億円の損失(前年度は4418億円の利益)だった。液晶テレビの販売台数が1520万台に達し(前年度は1060万台),増収となったものの,デジタルカメラ,デジタル・ビデオ・カメラ,パソコンなどが減収となり,全体でも大幅な減収となった。損益面では,液晶テレビは依然として赤字だが,2009年度下期にブレークイーブンに到達する見込みがあるという。また,デジタルカメラ,デジタル・ビデオ・カメラ,パソコンなども減益となっている。

 ゲーム部門の売上高は1兆531億円(前年度比18.0%減),営業損失は585億円(前年度は1245億円)となり,減収だったものの,赤字幅は改善した。「PS3」の販売台数は前年度から10%増え,1000万台を超えた(1006万台)。ただし,「PSP」の販売台数は前年度比2%増の1411万台にとどまっており,勢いに陰りが見られるという。また,PS3躍進の裏で「PS2」はピークを越えており,販売台数は前年度比42%減の791万台となった。PS2はアジアや中近東でよく売れており,今後の販売減は避けられないものの,底堅い売り上げが見込めるという。

 2009年度通期の業績見通しは,売上高が7兆3000億円(2008年度比6%減),営業損益が1100億円の損失(2008年度は2278億円の損失),当期純損益が1200億円の損失(同989億円の損失)である。想定為替レートは,1米ドル=95円前後(2008年度実績は99.5円),1ユーロ=125円前後(同142.0円)である。

 ソニーは,連結決算の発表に伴い,構造改革の追加施策も明らかにした。具体的には,国内3拠点・国外2拠点の閉鎖および事業譲渡である。国内拠点に関しては,ソニーイーエムシーエスの小見川/浜松/千厩テックを2009年末に閉鎖する。これら拠点の現有事業は,他拠点に移管するか,または事業そのものから撤退する。海外拠点に関しては,メキシコの液晶テレビ工場を2009年9月に閉鎖するほか,インドネシアの電子部品製造拠点を2009年9月1日付で同国のPT. Venturindo Jaya Batam社に事業譲渡する。