三洋電機は,ハイブリッド車(HEV)向けのLiイオン2次電池の新工場を加西事業所(兵庫県加西市)内に設立する。2009年度(2009年4月~2010年3月)中に量産を始めるという。投資額は約130億円になる見込み。同社は既に徳島事業所にもHEV用Liイオン2次電池の量産体制を整えており,こちらも2009年度内に量産開始を予定している。HEV用Liイオン2次電池の共同開発を進めているドイツVolkswagen AGなどに供給する見込み。

 また,HEV用のNi水素2次電池に関しても2009年度は量産規模を前年度比で2.5倍(セル数量ベース)とする計画。こちらはホンダや米Ford Motor Co.に供給する。

 三洋電機は世界不況の影響を鑑み,2008~2010年度の全社の投資規模を当初の3600億円から2900億円へ縮小するが,太陽電池や2次電池向けに関しては投資を継続するという。従来は1950億円としていたが,中期経営計画の見直し後も1900億円を維持する。HEV用2次電池向けには2009年度と2010年度の2年間で約300億円を投じるとした。

 三洋電機 代表取締役社長の佐野精一郎氏は「当初,HEV用電池事業で利益が出るのは2012年度以降と予測していたが,かなり進展が早い。当社にとってフォローの風が吹いている」と同事業への手ごたえを語る。

●続報:三洋電機,HEV用Li電池の新工場は100万セル/月でスタート(2009/05/18)