米Ernst & Young LLPは,2009年第1四半期の米国のベンチャー投資状況の調査結果を公表した(発表資料)。同調査によると,環境や再生可能エネルギー関連,いわゆる「Clean Tech」向けの投資の金額が前年同期比で63%に落ちた。2009年第1四半期中に24件の投資取引を行い,合計2億7700万米ドルの資金をClean Tech分野に投資している。取引の件数は前年同期比に48%に落ちた。

 ただし,この中でも電池などエネルギー保存技術を手掛けるベンチャー企業への投資は1億1400万米ドルで前年同期の2倍に伸び,最も資金を集まった分野になった。前年同期の投資金額は合計5000万米ドルだった。この分野で最も高い金額の投資は,Liイオン2次電池を手掛けるベンチャー企業の米A123Systems社への6900万米ドルの投資である(Tech-On!関連記事)。

 米連邦政府は,2009年2月に設立した法律「American Recovery and Reinvestment Act」(Tech-On!関連記事)に,最先端の電池技術の開発に20億米ドルの資金を投下する条項を盛り込んだ。旺盛なベンチャー投資も考慮すると,米国の電池業界を強化する投資は今後しばらく続きそうだ。