ドイツQ-Cells SEの売上高の推移
ドイツQ-Cells SEの売上高の推移
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 世界最大の太陽電池メーカーであるドイツQ-Cells SEは,2009年第1四半期の最終損益が3億9190万ユーロの赤字に転落した。売上高は,対前年同期比16.6%減,対前四半期比29.6%減の2億2480万ユーロだった。

 スペイン市場の急収縮と金融危機が重なって,太陽電池市場は停滞が続いている。その影響でQ-Cellsは,これまで順調に伸ばしてきた売上高を2008年第4四半期に落としていた。さらに今回は,売上高を2007年第3四半期の水準まで減らすとともに,赤字に転落した。

 EBIT(earnings before interrest and taxes:利払い税引き前利益)は,対前年同期比75%減の1470万ユーロだった。最終損益が大幅な赤字になったのは,出資するノルウェーREC社の株式評価損3億8700億ユーロなどの影響である。Q-Cellsは,Si原料メーカーであるREC社に出資することで,Si原料を安定調達して成長につなげてきた。今回は,それが裏目に出たかっこうである。REC社の影響を除いた最終損益は490万ユーロの赤字だった。

 Q-Cellsの太陽電池セルの生産量は,対前年同期比32%増,対前四半期比1.2%減の154.4MWだった。2008年第3四半期から155MW前後の生産量が続いている。2009年の年間生産量は600M~800MWとし,これまでの800M~1GWの計画を引き下げた。

 なお,2008年の年間生産量は,Q-Cellsが574.2MWで1位,米First Solar,Inc.が503.6MWで2位,中国Suntech Power Holdings Co.,Ltd.が497.5MWで3位である。