情報通信研究機構(NICT)は,横浜市立大学とアール・アイ・イーの協力を得て,アクセサリー型の心電計を開発した。人体周辺の機器や人体内部のセンサなどの間で通信するための近距離無線通信方式「BAN(Body Area Network)」を利用する。アクセサリーのように常時,首からぶらさげておくだけで24時間連続して測定でき,測定したデータは無線で送信できる。日常生活における個人の健康管理や,患者の遠隔見守りなどの用途を想定する。
開発した心電計は,心電測定のほか,体表温度や体位の変化を測定できる。重さは約20gと軽く,測定用の電極はジェルなどを必要としないドライ型のため,首からぶらさげても「違和感がない」(NICT)とする。
さらに今回の心電計は,「低消費電力セキュリティ機能」を搭載するという。これは,体位の変化や生体データの変化が利用者の固有情報であることに着目して,暗号キーの動的生成を行うセキュリティ技術である。暗号キー生成のための計算量が少ないため,消費電力を抑えられるとしている。
BANは現在,IEEE802.15.6において標準化が進められている。