中国政府は,情報セキュリティー製品に対する強制認証制度(CCC制度)の実施を1年延期して2010年5月1日からにするとともに,検査対象を政府調達品に限ると発表した(国家認証認可監督管理委員会のサイト)。CCC制度は,中国の製品安全認証制度で,同国の技術標準に対する適合性を審査するもの。2008年1月に発表した公告では,2009年5月1日から情報セキュリティー製品13品目を対象にした認証を実施するとしていた(関連記事)。これに対して,CCC制度によって技術情報の開示が要求されると知的財産の流出に繋がりかねないとして,日本や欧米の政府,経済団体が撤回を求めていた。

 2009年4月29日の日中首脳会談でも麻生太郎首相が中国の温家宝首相に対して,IT製品に対するCCC制度適用について再考を促すなどしていた。今回の実施延期と対象の限定の発表は,こうした海外からの反発に考慮したものとみられる。また,延期の発表に合わせて,ルータやファイアウォール,データベース,OSなど13品目に対する審査の実施細目も公表された。実際に,ソースコードの開示などが求められるかどうかについては「現在,内容を分析している」(経済産業省)という。