韓国の光州科学技術院(GIST)の研究者は,単接合の有機薄膜太陽電池でセル変換効率6.1%を達成したと発表した。4月26日付けの学術誌「Nature Photonics」に論文が掲載されたという。変換効率は,太陽電池の検証機関の一つである米National Renewable Energy Laboratory(NREL)の認定も受けたとする。

 この太陽電池を開発したのは,GISTのKwang-hee Lee氏と米University of California,Santa Barbara校のAlan J. Heeger氏の研究グループ。同グループは2007年にタンデム式の有機薄膜太陽電池を作製し,変換効率6.5%を得ている(関連記事)。

 今回の開発品はタンデム式ではなく単接合のもの。半導体層に,PCDTBTとPC70BMを用いたバルク・ヘテロ構造の層を形成した。開放電圧が大きいのが特徴という。特に,波長が425~575nmの緑色光に対しては内部量子効率が90%と高いという。

 具体的な測定値は,変換効率6.1%,開放電圧(Voc)0.88V,短絡電流密度(Jsc)10.6mA/cm2,FF0.66。AM(air mass)1.5G,100mW/cm2の光の下での結果だとする。