政府の経済対策を追い風に,ETC車載器の出荷が大きく伸びている。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によれば,2009年3月のETC車載器の国内出荷台数は前年同月比108.6%増の84万4000台だった。2008年度通期では前年度比26.6%増の493万6000台となっている。

 2008年10月末に,ETC装着車を対象にした高速道路料金の引き下げを与党が検討していることが明らかになり,2008年11月のETC車載器の出荷成長率は前月の1.6%から63.1%に跳ね上がった。以降,高い成長率を維持しており,実際に制度が導入された2009年3月の出荷台数は前年実績の約2.1倍にふくらんだ。

ETC車載器の国内出荷台数
ETC車載器の国内出荷台数(JEITA統計)
2008年3月~2009年3月

民生用電子機器全体では出荷低迷つづく

 ETC車載器を含む民生用電子機器全体の2009年3月の国内出荷金額は,前年同月比14.8%減の2418億円だった。6カ月連続の前年割れとなっている。内訳は映像機器が同4.7%減の1777億円,音声機器が同17.8%減の146億円,車載機器が同37.8%減の494億円である。車載機器はETC車載器以外の全品目で前年同月の出荷台数を下回った。特に車載テレビや車載DVD機器の出荷台数は前年同月に比べ60~70%減少している。

 映像機器では薄型テレビやBlu-ray Disc機器が引き続き出荷を伸ばしている。液晶テレビの出荷台数は前年同月比14.2%増の93万1000台。プラズマ・テレビは同27.1%増の9万3000台だった。Blu-ray Disc機器は同182.4%増の21万7000台で,光ディスク機器全体の46%を占めた。