三菱マテリアルは,高密度な集積回路のパッケージ基板向けに,狭ピッチバンプを形成する「鉛フリーはんだ微細粉ペースト」を開発した。回路基板上にバンプを形成する主な方法にはボール搭載法と印刷法があるが,微細化対応ではボール搭載法が優れている。一方の印刷法は,材料コストが低く新規設備の導入が不要なことからコスト面で有利。同社は,コストで優位な印刷法で,100μmピッチ以下のバンプ形成が可能な粒径5μm以下(平均粒径3μm)の錫銅2元系合金粉末を用いた「鉛フリーはんだ微細粉ペースト」の開発に成功した。

 同社は,このはんだ微細粉ペーストの生産をパイロットプラントで2009年7月から開始する。同時に,錫銀銅3元系合金粉末を用いたはんだ微細粉ペーストの開発も進める。今後,国内外のパッケージ基板メーカーを中心に事業を展開し,2013年度には年間10億円の売り上げ目指す。

 集積回路の高速・高密度化に対応して,パッケージ基板はより狭ピッチになり,材料のはんだ粉末も微細化が求められている。現在はんだバンプの最小ピッチは130μmで,使用はんだ粉末粒径は12μm以下。ITRS(国際半導体技術ロードマップ)では,2010年に100μmピッチ,2015年には80μmと予測している。これに対応するはんだ粉末粒径は,2010年で6μm以下,2015年には5μm以下が必要と見られている。