YoungLighting社は,壁一面に60cm角のLED照明を並べて展示
YoungLighting社は,壁一面に60cm角のLED照明を並べて展示
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昼光色と白色の切り替えも可能
昼光色と白色の切り替えも可能
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アクシアの天井照明「P70W」
アクシアの天井照明「P70W」
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 現在都内で開催中の展示会では,大きな面積全体が発光する「壁照明」または「天井照明」をLEDで実現することを想定した出展例がいくつかあった。「LEDは点光源で,面光源的な使い方には向かない」という一部の指摘を覆す展示となった。出展社はいずれも異業種から照明事業に新規参入したメーカーであることも共通する。

 液晶パネル向けバックライトなどのメーカーである台湾Coretronic Corp.(中強光電)の子会社YOUNG Lighting Technology Inc.(揚昇照明)は,60cm角のLED照明を開発し,それをブースの壁一面に張り付けた展示を披露した。照明パネルの厚みは12mmと薄く,消費電力は45W。発光効率は67lm/Wと高い。色温度の低い光と高い光を切り替えられ,明るさも調光できる。

 大きな面積を発光させるLED照明の開発例は過去にもあるが,輝度ムラが目立つ,あるいは照度が低いなどの課題が残っている場合が多い。YOUNG Lighting社の開発品は,輝度ムラがほとんどなく,しかも比較的明るい。同社によると「親会社の中強光電が開発したバックライト向けの導光板技術を用いて,輝度ムラをなくした」とする。

 具体的には,照明パネルの1辺とその対辺にそれぞれ約25個ずつ計約50個のLEDを配置し,その光を導光板で面全体に広げている。

 製品は既に日本を含む各地域で発売済み。「価格は案件ベースなので公表していない」(YOUNG Lighting社)とする。

LED400個を60cm角に利用

 国内メーカーで60cm角のLED照明パネルを出展したのが,アクシアだ。同社は,遊技場の経営や経営コンサルタント業などを手がけるあすかホールディングスから誕生したLED照明専門のファブレス・メーカーである。

 同社のLED照明パネル「P70W」は,消費電力最大70W。YOUNG Lighting社と異なり,導光板は「暗くなるから」(同社)として使用していない。代わりに,LEDを色温度の高いものと低いものを1個ずつペアにして,そのペアを200組,つまり計400個のLEDをパネル上に並べた。発光効率は,明るさと消費電力から計算して60lm/W以上である。

 リモコンで色温度も含めて調光できる。これも既に発売済みで,価格は「60cm角のパネル1枚が15万円前後で,国内の競合他社の1/2ほど。LEDには米Cree社の製品を使っている(日亜化学工業の製品を用いた照明もある)」という。

 安さの理由の一つは,製造を韓国のメーカーに委託したことにあるという。「韓国は,関連する部材の市場が大きく,それらを日本より安く調達できる」(アクシア)。