米Intel Corp.は2009年4月8日,中国で開催中の「Intel Developer Forum」において,並列化処理技術「Ct」のベータ版を年内に投入することを明らかにした。2010年に登場が見込まれる同社の新アーキテクチャに基づくグラフィックス・プロセサ「Larrabee」(開発コード名)への適用を想定している。

 Ctはデータ並列性の高い処理を,自動的に複数のコアに分割して割り当てる技術。プログラムを記述する際に,物理的な並列処理機構を考慮する必要がない。例えばLarrabeeを対象とするのであれば各コアが備えるベクトル処理命令を利用し,マルチコアのマイクロプロセサであればスレッド化させて並列処理を実行するという。結果として,並列処理プログラムの生産性を高めると同時に,可読性を高めることができる。

 CtはC++言語のテンプレート・ライブラリの形で提供される。既存の並列処理向けの製品である「Parallel Studio」や「Threading Building Blocks」などを補完する形の製品となる。