米Intel Corp.は2009年4月8日,北京で開催中の「Intel Developers Forum」の基調講演で次世代版Atomプロセサを用いたプラットフォーム「Moorestown」(開発コード名)の実機デモを披露した。Moorestownは「Atom Z」シリーズの携帯機器向けプラットフォーム「Menlow」(開発コード名)の後継版で,スマートフォンなど携帯電話機も対象とする。Moorestownの待機時の消費電力は,Menlowの約1/10になるという。実際に両者の実機を使って,消費電力が下がっていることを示した。

 MoorestownはAtomアーキテクチャのマイクロプロセサにグラフィックス機構やビデオ再生機構,メモリ・コントローラを混載した「Lincroft」(開発コード名)と入出力インタフェースを司る「Langwell」(同)から成り立っている。Menlowではマイクロプロセサ以外の主要コンポーネントをチップセット「SCH」(開発コード名:Poulsbo)にまとめていた。マイクロプロセサは45nmプロセスで製造していたが,SCHは130nmプロセスで製造していた。このためか,3Wのうちマイクロプロセサの消費分は0.5Wで,2.5Wをチップセットが消費するというアンバランスな状態になっていた。Moorestownではこの構成を大幅に見直すことによって,低消費電力化を実現するようだ。

 またIntel社は合わせて,性能を改善したAtom Zシリーズの新製品「Z550」「Z515」を発表した。Z550は最大動作周波数が2GHzで,Atom Zシリーズでは最高の性能を誇る。