Motorola社のEvoke QA4
Motorola社のEvoke QA4
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Open Kernel Labs社が公開した,Evoke QA4のソフトウエア環境の構成。オレンジ色のOKL4は同社のハイパーバイザ製品である。
Open Kernel Labs社が公開した,Evoke QA4のソフトウエア環境の構成。オレンジ色のOKL4は同社のハイパーバイザ製品である。
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 米Motorola, Inc.は,仮想化技術を搭載した「Evoke QA4」と呼ぶ携帯電話機を公開した(発表資料)。同携帯電話機は,米Open Kernel Labs社の組み込み機向けハイパーバイザ「OKL4」を利用している(発表資料)。同社,CEOのSteve Subar氏によると,「従来,OKL4はOSとドライバーなどのソフトウエアを独立した環境で動作する用途などに利用された。Evoke QA4は,2つのOSを1コアのマイクロプロセサ上に動作させる最初の例である」(同氏)。Motorola社は,Evoke QA4を米ラスベガスで4月1日~3日までに開催した「International CTIA WIRELESS 2009(CTIA)」で公開した。

 ハイパーバイザは,コンピューター上で複数のOSを動作させるソフトウエア技術である。Evoke QA4はOKL4の採用によって, Linux OSとRTOSを動作させている。Linux上でソフトウエア実行環境の「BREW」を実現している。一方, RTOS上では携帯電話機のモデム関連のソフトウエアを動作させている。この2つのOSを動作させることによって,従来のRTOS上で動作するアプリケーションを採用することができた。OKL4の採用によって開発負担が減ることが,この技術のメリットの一つだと主張している。

Evoke QA4は,EVDO Rev. Aを採用する2.8型WQVGAタッチ・スクリーンを備えたスライダー形携帯電話機である。同携帯電話機は, SNSの「MySpace」や写真共有サービス「Picassa」,動画共有サービス「YouTube」などと連携するアプリケーションを搭載している(同携帯電話機の主な仕様書)。同携帯電話機は,2009年第2四半期に発売される予定である。価格と採用する携帯電話事業者は未公開である。