総務省は2009年4月6日,石川県珠洲市で2010年3月までにアナログ放送終了のリハーサルを実施すると発表した。実際にアナログ放送の電波を止めるリハーサルを行うことで,周知広報の方法を含め,全国的なアナログ停波の過程で生じる問題を検証する。

 地上デジタル推進全国会議で2008年12月に定められた「デジタル放送推進のための行動計画(第9次)」では,2009年度内に地域を決めてリハーサルを行うとしていた。そこで総務省では2008年12月に各地方公共団体に対してリハーサル協力の意向があるかどうかを調査し,5市町村から協力が可能との回答を受けたという。同省は2009年3月に「アナログ放送終了リハーサル推進委員会」を設置し,リハーサルを実施する地域としてこれら5市町村を検討。その結果,石川県珠洲市を実施地域に決定した。

 リハーサルを行う地域の決定は,以下の七つの条件に合致するかどうかで判断した。

  1. 実施する中継局のカバー世帯数が1万世帯程度以下である
  2. デジタル放送の開始時期が2008年以前である
  3. 放送されているチャンネル数がNHK2つを含めて5つ以上
  4. 区域外での受信や他中継局の受信が少ない
  5. 新たな難視やデジタル混信が少ない
  6. 実施する中継局までの交通アクセスが良い
  7. 実施する中継局がある建物内にスーパー表示装置等の設置ができる

 珠洲市では区域外の一部の放送を受信できるため,4番目の条件は完全には満たしていなかったが,5市町村の中では合致する条件が最も多かったという。

 リハーサルでは,アナログ放送の完全停波の前に,アナログ放送終了画面を一定時間表示したり,一定時間停波したりする予定。珠洲市でのリハーサルでいつ完全停波を行うかは,関係する地方自治体と協議した上で決定するとしている。