米活動団体のFree Pressは米国時間2009年4月3日,米連邦通信委員会(FCC)に対して公開書簡を送り,無線キャリアにも,FCCの「Internet Policy Statement(インターネット政策宣言)」への準拠を義務づけることを要請した。この宣言には,好きなデバイスから,あらゆるコンテンツやサービスにアクセスできるという,ユーザーの権利を保護する条項が盛り込まれている。

 この行動は,米紙「USA Today」の記事が先週報じた内容を受けたもの。同記事によると,AT&Tの上級幹部は,同社第3世代(3G)ネットワークで「Skype」にアクセスできないようにすることをデバイス・ベンダーに期待する発言をしたとされる。Free Pressはこれを,自社音声サービスと競合するSkypeの利用を率先して妨げる行為だと非難した。

 Skypeは2009年3月末に,Appleの「iPhone」および「iPod Touch」向けSkypeをリリースしたが,携帯電話ネットワーク経由の通話は行えず,無線LAN(Wi-Fi)に接続しているときしか使えない(関連記事:iPhone/iPod Touch用のSkypeが間もなく登場)。

 またFree Pressは,AT&Tに限らず,多くの無線キャリアが消費者の無線インターネット接続に制限を加えていると指摘した。例えばT-Mobileは,「Android」用アプリケーションの販売/配布サイト「Android Market」において,携帯電話をモデムとして利用し,パソコンをインターネットにつなぐ「テザリング」に関連するアプリケーションの配信を制限していると報じられている。

 Free Pressは,こうした問題を解決するために,無線ネットワークにも「Internet Policy Statement」を適用する方針を明確にすることが急務だとしており,携帯電話などによる無線インターネット利用も,家庭でのインターネット利用と同様,自由でオープンなものであるべきと主張している。

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[FCCへの書簡(PDF文書)]