筐体から取り出したメイン基板は,縦が約20.7mmで横が約14.2mmのL字型の形状だった(図4)。リンゴの刻印が入った半導体パッケージには,「K9HB608U1A-BCBC」「8442A ARM」などの文字列もある。8.5mm×12.5mmのこの半導体パッケージが,基板のほとんどの面積を占めている格好だ。「刻印から推測すると,この半導体はSamsung Electronics社製だろう。第2世代品のSoCもSamsung社製だった」(分解に協力した技術者)。

図4 取り出したメイン基板
メイン基板の片面は,1個の半導体パッケージが面積のほとんどを占めている。

SoCとフラッシュ・メモリを積層

 基板の裏側を見ると,ICは1.2mm角程度の小型品が数個あるだけで,そのほかに目立つのはコイルなどの受動部品や2個の水晶発振器だった。第1世代や第2世代のiPod shuffleは,大型のICとしてSoC(system on a chip)とフラッシュ・メモリの二つを実装していたが,今回の第3世代品には大型のICが一つしかない。リンゴ印の半導体パッケージは,SoCとフラッシュ・メモリの両方を含むようだ。

 2次電池は,メイン基板の裏側ではんだ付けされたフレキシブル基板によって接続されている。2次電池には「LIP 3.7V」「Whr: 0.27Whr」といった文字列がある(図5)。3.7VのLiポリマ2次電池で,電力容量が0.27Whであると推測できる。

図5 メイン基板の裏面
基板にはんだ付けしたフレキシブル基板で2次電池を接続している。